今回は、前回の記事→(
ディスプレイの設定 導入編 ~キャリブレーションツールについて~)の続編です。
今回の記事で、写真を目的別に扱う重要性と感覚を持っていただければ幸いです。
さて、キャリブレーション時のディスプレイ設定をする際に、大きく以下の2つの場合分けがあります。
A.印刷する目的
B.WEB上での投稿閲覧を目的とした場合
→Flicker等の写真共有サイト等
上の2つのケースで留意しておきたいのが、
基準となる色温度の違いです。
デジタルカメラの設定の際にもよく出てくる色温度の設定に関して、i1display pro 等のキャリブレーションツールでは白色点という用語を使います。その名のとおり白色が白色に見える色温度(K=ケルビン)を指定することです。
上のAの場合、
白色点は5000Kに、Bの場合は6500Kを指定することになります。これは2016年現在のデジタル写真を扱う際の規格、もしくは指標として定められているということを理解してください。前者は出版印刷のDTP(Desktop Publishing)業界で、後者はデジタルハイビジョンの国際規格となっています。
目的別で基準となる色温度(白色点)が違うことにより、必然的にディスプレイ上での発色が変わるということを理解することは非常に重要です。身近な例では、フォトコンテスト等へプリントした作品を出品する際には、5000Kの環境で作品を審査することになりますので、作品を作る段階からそれを想定して環境を整えておく必要があります。
また、代表的なスマートデバイスの例として、日本ではiphoneが人気ですが、iphoneのディスプレイの色温度(白色点)は7000K程度と少し高めに設定されているようですが、最近のOSのアップデート(2016年4月現在 iOS9.3)で直接色温度の設定機能(直感的な作業のため、正確な色温度の指定ではないですが)を設けているようです。
このようにデジタルの世界はよく日進月歩であり、個別に物事を把握することは大変労力がかかるのですが、
国際的な規格として上のAとBを理解することで、自分の意図した写真を意図した環境で人に再現することが可能になるということを理解して頂ければ幸いです。
ということで、今回はディスプレイの白色点に関しての基本的な考え方でした。次回以降もディスプレイに関する話を中心に、カラーマネジメントに関する話をなるべく簡単に理解できるように記事にしたいと思います。最後まで読んでくださった方ありがとうございました。